Interview M.H

取引先の真の要望を知り
最善のコト・モノを提供したい
堀越雅弘

M.H
※名前をイニシャルで表記しています。

 

2015年入社
※インタビュー内容は2019年度行ったものとなります。

就職に後ろ向きだった就活時代

学校を卒業したら就職する。そのこと自体には何の不思議もない。でも、就職への考え方は人それぞれ。就職を待ち焦がれる人もあれば、その気になれない人もある。

大勢の人が働く企業にはそうした、多様なタイプの人が集まり、一つの大きな生命体ともいうべき組織を形成している。

産機第二営業部広域営業所で、主に装置メーカーを担当するM.Hさんは、自身の就活時の状況について「就活にはかなり後ろ向きの学生でした(笑)」と振り返る。

「自分が将来、何になりたいのか、どういう仕事をしたいのかということが、具体的な像として描けなかったんです。
いま思うと怖かったのかもしれませんね。就職したら基本的に40年以上勤める。それなのに何をしたいのかも分からないまま就職してもいいのだろうかと」

そんなM.Hさんの背中を押し、大江電機に導いてくれたのはある知り合いの人だった。

「私は神奈川県伊勢原市の出身ですが、知り合いの方がある日、県内にこんな会社があって、募集しているよと教えてくださったんです。父親が勤務していた会社も大江電機と似た感じの商社でした。そういうこともあって気持ちが動き、面接をしていただきました」

M.Hさんはその日、就職に対する自分の今の気持ちを、正直に話した。

「最初は専務と総務の方との面談があり、その後、社長面接がありました。社長は私の就職への迷いに、じっと耳を傾けてくださいました。とくに何かいわれたわけではないのですが、自分の気持ちを受け止めていただいたという印象が、強く残りました。それがキッカケになり、就職というものにきちんと向かい合う気持ちが、改めて生まれたのです」

人を基盤とする《人本主義》とは!?

堀越雅弘 それから5年目。今では広域営業部の中堅営業マン、大手装置メーカーの担当として忙しい日々を送るが、最初の1年間は「伝票へのハンコ押しばかりでした」と笑う。

「就職に対する私の臆病ぶりをみて、最初はとにかく会社組織の水に慣れるようにという配慮をしていただいたのかもしれませんね。積極的な気質の若手社員なら最初から外回りを先輩とさせられていたでしょう。うちの会社はそんなふうに、人によって成長への促し方を変えるというような配慮を、上の方たちがしてくださる土壌があります。個々の社員の成長が企業としての成長の原動力だというのが、会社の最大の方針ですから」

大江電機の創業以来の企業理念は《人本主義》という言葉に集約されている。

まず社員個々の成長を図り、取引先から必要とされる存在として認められること。そして社員には「大江電機に入って良かった」と思われ、取引先から「大江電機と取引して良かった」と思われることが、企業としての大江電機の成長の糧となる――。

このように「人」を基盤とし、社員と取引先を何より大切に思うココロを、大江電機では《人本主義》と呼んでいる。

「1年目の後半から先輩や上司とともに取引先を訪問するようになりました。先輩や上司の取引先への対し方は、まさに《人本主義》そのものでした。

私の今の目標は、自分が担当する窓口の部署だけでなく、取引先のたくさんある部署すべての事情に精通したいということです」

取引先に真に必要なモノ・コトを考える

堀越雅弘「商社はお客様の注文に応じて商品を仕入れ、納入するということだけが仕事ではありません。取引先が何を求めているのかをいち早く察知し、必要なコト・モノをご提案する。さらにそのご要望の実現に対し、より効果的と思われる『プラス1』を提案する姿勢が重要だと思います。そのためには取引先にまつわることは、各部署の動きから人と人との連携関係に至るまで、細大漏らさず知ることが重要です。取引先の事情を知れば知るほど、取引先の利益になるご提案もできます。

上司はそれを日常的にやっていますが、自分はもちろん、その域にはまったく遠いことを自覚しています。でも、それを目指すことが自分の成長になり、取引先の利益にも繋がる。ひいては大江電機の成長にも貢献することができると信じています」

そう語るM.Hさんに、就職に後ろ向きだった就活生時代の面影は見えない。昨年には大きな取引先から、競合他社を差し置いて、その貢献度への表彰(最優秀賞)を受けている。

「自分は今も基本的にはのんびり屋で、仕事のスピードアップが課題だと自覚しています。しかし、取引先の方たちから時に叱られながらも、信頼関係は徐々に構築できつつあるのかなという手ごたえもあります。就職さえしたくなかった自分が(笑)、今は生きがいを感じながら仕事できるようになったのは、とにかく取引先のお話を徹底的に聞くという姿勢を貫いてきたからだと思っています。そして会話のなかから、取引先の真意やご要望のタネを見つけたい。常にそれを意識しています。

もしかつての私のように、就職に前向きになれない就活生の方がいたら、こういうふうにいいたいですね。『大丈夫。自分を大切に、周囲を大切に思いながら、一生懸命に取り組めば、なんとかなるよ』って」